病害虫で困ったら? 害虫編
コナガ英名:Diamondoback moth, Cabbage moth
  • 幼虫
  • 蛹
  • 成虫

幼虫がアブラナ科野菜のキャベツ、ハクサイ、ダイコン、カブなどを食害する害虫です。成虫は体長6mmくらいの灰褐色の小さな蛾で、終齢幼虫は体長約10mm、緑色で、お尻のほうが二股にとがっているように見え、触わると跳ねるように動いたり、糸を吐いて地面にたれさがったりします。葉っぱの裏にいて葉表の薄皮一枚残して葉を食べるので、食べた痕は白く不規則な形になります。作物がまだ小さい時期に発生が多いと、芯を食べられて被害が大きくなります。蛹はレース状の繭の中にいます。卵から成虫になるまでの期間が短く、関東以西の暖地では年に10~12回発生し、冬でも発生が見られます。一般的には5~6月と秋に多く発生しますが、寒冷地や高地では夏に多くなります。見つけたら捕殺するか、寒冷紗など目の細かい網で作物を覆います。寒冷紗などは作物にふれてしまうと、そこに産卵するので離すように気をつけましょう。

コナガの防除にはBT剤である「バシレックス水和剤」が有効です。但し、幼虫が大きくなっている場合には化学農薬で防除してください。また化学農薬では、マクロライド系やネライストキシン系、ピロール系の薬剤などが使用されています。

アオムシ英名:common white, common cabbage worm
  • 幼虫
  • 蛹
  • 成虫

モンシロチョウの幼虫の別名がアオムシです。アオムシはアブラナ科野菜のキャベツ、ハクサイ、ダイコンなどを食べる害虫で、特にキャベツを好むようです。成虫は翅が全体的に白く、黒い紋様があるおなじみのチョウです。卵は黄色で1mmくらいの長細い楕円形、幼虫は緑色で表面に細かい白い短い毛が生えています。卵から孵ったばかりの幼虫は体長2mmくらいですが、終齢幼虫は体長約30mmになります。幼虫は育つにしたがって作物の葉に大きな穴をあけるようになり、発生が多いと作物を丸坊主にされてしまうこともあります。一般的には春と秋に被害が多くなります。見つけたら捕殺するか、寒冷紗など目の細かい網で作物を覆います。寒冷紗などは作物にふれてしまうと、そこから産卵してしまうので離すようにしましょう。

この害虫にはBT剤である「バシレックス水和剤」が有効ですが、幼虫が大きくなっている場合には、化学農薬で防除してください。化学農薬では、マクロライド系やカーバメート系の薬剤、及び合成ピレスロイド系の薬剤である「アザミバスター水和剤」が有効です。

ヨトウ英名:Cabbage armyworm
  • 卵
  • 若令幼虫
  • 老熟幼虫

ヨトウガ(夜盗蛾)の幼虫をヨトウムシ、あるいは単にヨトウといいます。色は緑や暗褐色など様々です。幼虫はイネ科以外の色々な植物を餌にします。アブラナ科野菜ではキャベツ、ハクサイ、ダイコンで被害が多くみられ、ピーマン、ナス、トマト、ジャガイモ、キュウリ、イチゴ、ニンジン、カブ、ネギ、レタス、エンドウ、ホウレンソウにも食害があります。一般に春と秋の年2回発生します。成虫は葉の裏に数百個の丸い卵をまとめて産みます。孵化した幼虫ははじめ集団でいますが、成長すると分散し、日中は土の中や株の地際にひそみ、夜になると活動します。この習性が夜盗虫の由来です。蛹化は土の中でおこないます。見つけたら捕殺するか、寒冷紗など目の細かい網で作物を覆います。

この害虫にはBT剤である「バシレックス水和剤」が有効ですが、幼虫が大きくなっている場合には、化学農薬で防除してください。化学農薬では、マクロライド系やカーバメート系の薬剤、及び合成ピレスロイド系の薬剤である「アザミバスター水和剤」が有効です。

ハダニ類(代表的な2種)ナミハダニ 英名:two-spotted spider mite カンザワハダニ 英名:Kanzawa spider mite
  • ナミハダニ
  • ミカンハダニ
  • ミカンハダニ

ダニはクモの仲間で、農作物を加害する主なものは、ナミハダニ、カンザワハダニです。体長約0.5mm、体色は赤っぽい色か黄緑色です。ハダニ類は高温・乾燥を好み、そうした条件下では繁殖も早いので油断していると被害が大きくなります。イチゴ、スイカ、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、インゲンなど、ほとんどの野菜に寄生、加害します。ハダニは葉っぱの裏にいて作物の汁を吸います。はじめ葉の表面に小さい白い斑点ができ、かすり状になります。やがて葉の色が悪くなったり、葉が縮んだりし、ひどいときには枯死してしまいます。被害が進んだ作物はハダニが吐く糸で覆われクモの巣がかかったようになり、よくみるとその上をハダニが走り回っているのが見られます。

防除薬剤としては、ピロール系やピラゾール系、マクロライド系の薬剤などが使用されていますが、同じ薬剤を使い続けるとその薬剤に対し抵抗性が発達し、効果がなくなってしまうので気をつけましょう。

コガネムシ類(代表的な2種)ドウガネブイブイ 英名:cupreous chafer ヒメコガネ 英名:soybean beetle
  • 幼虫と蛹
  • ドウガネブイブイ
  • ヒメコガネ

野菜を加害するコガネムシはいろいろいますが、一般的に成虫が葉っぱを、幼虫が根っこを食害します。ドウガネブイブイやヒメコガネを例にとると、成虫はイチゴやダイズ、ラッカセイ、インゲンなどのマメ科作物、ブドウ、カキ、クリなど果樹の葉を食べます。土の中に卵を産み、幼虫は土の中で腐植質(枯れた植物などが微生物によって分解されたもの)や植物の根っこを食べます。作物ではサツマイモ、サトイモ、イチゴ、ラッカセイ、スイカ、ハクサイなど多くの野菜の根をかじるので野菜が生育不良になったり、ひどいときは枯れてしまいます。地上部の生育不良に気がついたときには地下の根の被害が進んで手遅れになっている場合があります。

芝・カンショ・ブルーベリーのコガネムシ幼虫の防除には天敵線虫剤である「バイオトピア」が有効です。但し、使用時期が限られているので、ご使用の際には取扱いの注意事項を十分に把握した上でご使用ください。また、化学農薬としては有機リン系やカーバメート系の薬剤が有効とされています。

アブラムシ(代表的な2種)英名:green peach aphid 英名:cotton aphid, melon aphid
  • モモアカアブラムシ
  • ワタアブラムシ
  • ダイコンアブラムシ

アブラムシはセミの仲間で、針のようになった口を植物に刺し、その汁を吸う小型の虫です。繁殖力が強く、作物の先っぽの方の茎や花、葉の裏などに集団でいます。アブラムシに吸汁されることで葉っぱが縮み生育が悪くなったり、排泄物によってすす病という病気が発生したりします。また、植物がかかるウィルスを運び、作物にウィルス病をうつします。ウィルス病は治りません。翅が有るものと無いものがいて、有翅虫はあちこちに飛んでいって子孫を広めます。無翅虫はどんどん子供を産んで数をふやします。成虫は通常、卵ではなく、幼虫をそのまま産みます。蛹の時期もありません。幼虫は短い期間で成虫になり、すぐに子供を産み始めるのであっという間に増えてしまいます。

防除薬剤としては、ネオニコチノイド系の薬剤が広く使用されています。